はるまで、くるる。

こんにゃん。
すみっこソフト『はるまで、くるる。』応援中!
(※核心的なネタバレをいろいろ含みます。)

2012年4月27日にすみっこソフトより発売の恋愛ADV(18禁)。

主人公と4人のヒロインが、外界から隔絶された自然豊かな場所で3か月を過ごすことになります。物語が進むにつれ、登場人物や舞台にまつわるもろもろの謎は徐々に明らかになります。

フルコンプしました(序盤までの感想は体験版のときに別記しています)。

面白いゲームです。中盤以降は読みだしたら止まらない勢い。むしろ止めたくないというほうが正確かもしれません。場面が変わるごとに入る日時の表示は、逐一メモしておくと妙な達成感が残ります。
序盤から乱交シーンが続き、やや中級者向けな様相を呈していましたが、中盤以降では上級者向けな要素も出てきます(主に春海の欲求とか某体内時計とか冬音の時間感覚とか)。伊達にOPがデンカレなわけではありません。ゲーム起動時にフィクションである旨の表記はありますが、その他にプレイ中気分が悪くなったらゲームを停止してふつうの萌えゲーで癒されてくださいくらいなことがどこかに書いてあっても良かったかもしれません。可憐なグラフィックならどこまで許されるのか試されているようでもあります。もっともラスト付近はウイニングラン状態なので安心して読むことができます。ラストが優しすぎるとさえ思いましたが、まあいろいろ苦労もありましたしそこはひとつ。

各キャラクターの内面を表現する描写やセリフはかなり踏み込んだ内容となっており、物語の設定も含めて、一般的なゲームに飽きてきている方にはいいゲームかもしれません。
設定はかなりダイナミックなので、細かな疑問は都合の良い方向にプレイヤーが自己解釈しておけばよさそうです。それでもシャンプーやティッシュペーパーなし、トイレットペーパーなし(ウォシュレットはあり)の生活はそれなりに鬼畜ですし、主人公の無表情設定は必要かどうかやや疑問でヒロイン勢を苦しめていただけというような感じもします。あと主人公は別に病んでないですよね。全編にわたり静夏さんは本格的に聖女です。
グラフィックや音楽の美麗さは体験版通りです。露天風呂シーンで白い靄が明滅する演出は良いと思います。春海の立ち絵のおっぱいは実にけしからん。

春なんか、もう来なければいいのに。というキャッチコピーで悪夢と終末のハーレムというのは、ある時点におけるあのあたりのキャラクターを主観としたものだろうということは読み取れました。体験版の段階でコミュニティ実験というのは明らかになっていましたが、さらにその上に不老不死の研究がありましたね。かなり完成されたシステムのようですが、唯一の欠陥は管理者の介在ということに尽きるでしょう。管理者がしっぽを出しさえしなければ、文字通り半永久的に主人公たちは生活を続けられたものと思われます。惜しむらくは彼らが不老不死だということを実感できないということ、記憶の巻き戻しが完全ではないということでしょうか。もっとも彼らに飽きが来ないというメリットもあります。本編にはループ行きとみられる結末も用意されていますが、どこか有限なものを感じさせます。