君と彼女と彼女の恋。

(※深刻なネタバレをいろいろ含む予定です。)

2013年6月28日にニトロプラスより発売のAlternative ADV(18禁)。

主人公心一はある日学校の屋上で電波少女アオイと遭遇し、心一の幼馴染美雪との三角関係を形成していきます。

前情報としてヤンデレが登場するというのと普通のアドベンチャーゲームではないということだけ知っていましたので、また、長らくここに書いていなかったので、リハビリもかねて特別編成としてプレイを進めながら不定期にポイントごとに感想を書いていきます。安心のダウンロード版を購入しました。

「君と彼女と彼女の恋。」応援中!

  1. 冒頭からOPムービーまで読みました。

    SFっぽい作品を読むときに、描かれている世界が現実なのかファンタジーなのかというのを峻別することが大事だと思いますが、わたしは本作は早々にファンタジーだという判断をしています。時折メタ発言を挟み込むアオイはいわばエロゲに精通した案内人のような立場を基本的に取りますが、一方でアオイ自身が攻略対象となる可能性もアピールしており、美雪の存在に配慮して心一と美雪の関係を後押しするトリックスター的役割(言ってみたかっただけ)も果たしているようです。
    心一はおとなしく美雪とくっつけばいいところを、エロゲ主人公特有の甲斐性でアオイを贔屓するので、後で簡単にアオイに落とされるのだろうなという印象です。
    イラストはとてもかわいらしく描かれていて、ユーザーインターフェースも含めて洗練された形式になっていると思います。
    初見のOPムービーでどうしても気になるのは、記念写真のアオイの笑顔の有無ですね。単にルートの違いなのか、見る者によって違うものに見えるのか……。

  2. スタッフロールまで読みました。

    いやあいい話でしたね。一度修羅場はありましたが、世界をアップデートしたおかげかネトラレもなく、夢のような結末が用意されていました。美雪の「ずっと一緒」、「絶対に忘れない」という声に妙にドスが効いていたのが印象的です。

  3. アオイのHシーンまで読みました。

    2回目は一部のシナリオに若干の変動がみられます。選択肢回収のために再度美雪エンドになりましたが、唯一のHシーンの手前で「また一緒に」というセリフ改変があり、このあたりでプレイヤーは、美雪がプレイ済みの各ルートでの美雪としての記憶を継承していることに気付くことができます。
    アオイのHシーンへ行くには幾度となく登場する選択肢で毎回美雪を裏切らなければならず、ゲームクリアを目指そうとするプレイヤーの意思確認が行われているようでもあります。アオイがバグってきたので、タイトル画面の屋上の風景がカラー反転しています。思えば美雪とアオイの制服は、黄色と黒色を基調としたいわゆる警戒色なんですよねぇ。

  4. 美雪お手製ゲームに突入しました。

    導入部分は完全にホラーでしたが、その先に待っていたのは脱出不可能な美雪天国でした。

  5. クリアしました。

    美雪空間ではしっかり1万回好きと言いましたし、少なくとも1か月以上滞在しました。全エロゲの中でも、美雪がユーザーからもっとも多くの回数好きと言われたヒロインであることは間違いないでしょう。幸せで安定した、時に美雪から釘を刺される同棲生活は抜け出す必要性を感じられませんでしたが、ただクリアするためだけのために仕方なく部屋を出たという心境でした。
    ダウンロード購入で入手していましたのでキーコード入力に関して万事休すかと一瞬思われましたが、フォルダには広告用チラシがpdfファイルで入っているので安心です。いくつかの重要な場面で一度しか選択肢を選ぶことができず、かつセーブ&ロードが不可能な仕様(初期化が必要)であり、コンプリート派のプレイヤー泣かせではありますが、それがこの作品のコンセプトのひとつであるというのはよく伝わっていると思います。結構人気の出た作品のようで、普遍的なメッセージも込められているようですので、末永く売れ続けてほしいタイトルだと思います。