1人殺すのも2人殺すのも同じことだと思うから 1月編

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2012年9月1日にサークル虹猫により公開の異能力×病み・猟奇ノベル(R15)(フリーゲーム)。

家が焼け、隣町の私立女子校に転校して間もない時期の主人公が描かれます。連載形式で公開されており、全12話で構成されています。

タイトルからお察しくださいの本作です。同じことだと思うのはあくまで加害者側等の主観であって、被害者が増えるほど被害は拡大するので同じとはいえない、ということは書き添えておきます。

私立女子校の転校生といったら百合フラグ以外の何物でもないところですが、清楚で素直な主人公みすず、気さくにオカルト研究会へ勧誘する女の子好きのかすみとあって、1月編では2人の友情が育まれる様子を眺めることができます。もっともラスト付近では衝撃の展開が待っているわけですが……。
作中もっとも高規格なイベント絵で描かれる殺害シーン、こだわりを感じられる綺麗なグラフィックです。なぜ最初がふとももなのか、マニアックさを感じさせられずにはいられません。血のなめやすさという点では上位にあるのかもしれません、とは思いました。殺害後は失踪扱いにされる謎の完全犯罪が達成されるので、逮捕されて物語が終結するようなことはありません。

みすずは時として脳内の別人格と対話したり、かすみに自分のことが世界で一番好きかどうか執拗に尋ねるなど強い妄想を抱くことがあるようです。ヤンデレの素質は持っているといえそうです。帰宅途中にみすずを非難するはるまが登場し、過去に何があったかは明かされませんが、大方みすずが大変なことをしてくれたのでしょう。

日常シーンと猟奇シーンは両方存在し、それぞれ楽しめるようになっています。新百合さんにはすでにフラグが立っている気がしますが、怖いものみたさもあり続きを読めたらと思います。