氷菓 第11話 愚者のエンドロール

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

弟9話で色々なミスリードに引っかかった感想を書いたのはわたしです。ぐぬぬ・・・、やはり映画の客観的な観察のみではまったく材料が足らず、映画製作サイドの登場人物のプロファイリングも必須でしたか。反省も込めて、過去の些細な過ちは記録として残しておきます。ミステリーを読んでいて楽しいのは、自らの推理が華麗に裏切られたときであると語ったのは誰でしたっけねぇ。

未完映画関連話の解決編。氷菓の魅力はいくつもの"真相"が提示されながらも本当の真相は明かされず、千反田さんが納得した"真相"が最終解という「テンプレ」ですね。奉太郎が提示したものの古典部メンバーからフルボッコにされたカメラマン説は興行的には成功していたわけですから、その説を推した入須先輩はプロデューサーとしてかなりの割合で試写会に貢献したといえるのですが、あえて嫌われ者の黒幕っぽいポジションを維持していたのは入須先輩の優しさの表れだったのかもしれません。もっとも有能な者を使役する冷酷さのほうが前面に出てますけど。フィクションといわれればそれまでですが、茶店でのあの会話のやり取りは一般高校生というか常人の域を超えてますね。

弟11話では実は軽傷だった説が語られていましたが、おそらく初期の脚本では軽傷として想定されていて、後にメンバーの総意により腕切り落としに切り替わり、脚本の収拾がつかなくなったため入須先輩の介入に至ったということでしょう。とはいえ弟10話までに気付くためにはホームズを読破していなければならなかったという異様なハードルがあったわけですが。映画製作での混乱もありトリックのほうの扱いは意外とあっさりしてましたね。

チャットのあ・た・し♪さんは千反田さんだと予想していたから千反田さん怖すぎるとか思ったのですが、どうも別人みたいですね。事情をよく把握しているようですが入須先輩のさらに先輩らしいですし、おそらくチャット上にしか登場していないでしょう。