虚ノ少女 体験版

Innocent Greyが贈るサイコミステリィAVG第6弾「虚ノ少女」2013年2月8日発売!

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2013年2月8日にInnocent Greyより発売予定のサイコミステリィAVGの体験版(18禁)。

(前作未プレイで書いてます。)
読みは「からのしょうじょ」です。シリーズ第2作である本作の体験版には、製品版の前日譚にあたる序詞<遅梅>を収録。
現在編(昭和30年代)の2人の主人公真崎、玲人を2軸に、冒頭とラストを除き都内の物語が描かれます。

上品なキャラクターグラフィックと美しく、寒々しくかつ排他的なデザインの背景が世界観をよく表現していると思われます。文章は当時らしく時代がかった表現が多用されており、時折登場するルビなし難読漢字は手書きIME先生になんとかしてもらいました。

体験版の18禁要素は殺害シーンと捜査パートであって、Hシーンに類するものはありません。殺害シーンは血液多めですので、苦手な方は注意が要るでしょう。捜査パートは調べる回数に制限は無さそうなのでひと安心。調べられる個所はマウスカーソルの色が変わり、必要な個所を調べるまでは捜査終了できない親切設計のようです。体験版では起動初日はクリック前後に毎回数十秒フリーズしましたが、後日起動したときはフリーズは起こりませんでした。捜査パートで得た手がかりは、後に玲人が推理する場面でプレイヤーがいずれか1つを選択することとなり、ここでプレイヤーは推理する側の立場を追体験できるようになっているようです。体験版では簡単なものでしたが、本編には難解な個所もあるのかもしれません。一部特殊な演出の施されたシーンを除き、左上に日付と場所が表示されるのも良いですね。

すでに多数の人物が登場しているように見えますが、LOT44の存在や、LOT44に含まれない登場人物の存在からしますと一瞬のみ登場する人物を含めても全体の3分の1にも満たないようです。ミステリィと標榜する以上は登場人物のいずれかが事件の犯人で、本編を読み進めることで明らかになることと思われますが、プレイヤーが自力で推理するには早くも心折られそうな人数ですw

さて、体験版では紙園繭が惨殺されるシーンがありました。手口は”祟り”になぞらえたものであり、人形集落との関与は明確です。もっとも関与しているのは本人というよりは紙園繭の母かもしれませんが。紙園繭の母が所持していた真崎によく似た者の写った古い写真に、真崎は明らかな動揺を見せていました。有り体に考えれば古い写真の人物は真崎の父であり、過去編において人形集落にて若き頃の真崎の父と紙園繭の母との間に何らかの関係があり、やがて紙園繭の母は何らかの形で”祟り”を受けるに値する条件に抵触したという可能性があります。紙園繭の母はは昭和32年初めに病死していますが、因習や古い観念の根付いていそうな集落のことですから、なんとか憎ければ袈裟までで紙園繭が狙われるのは想像できるところです。殺害シーンでは薬品を使用していたり縫合がどうのこうのと書かれていましたので医学的知識を持つ者による犯行と考えたくなりますが、知識さえあれば素人でも行い得るのでそこはある種のミスリードなのでしょう。集落の人間がわざわざ上京するかどうかという疑問については、実行部隊として宗教団体天恵会の関与を想定できますが、そこもまたミスリードだったりするかもしれません。

昭和時代ならではの因習や思い込みを取り込んだ内容が、現在ではみられないようなドラマを生んでいるようです。真冬の豪雪地帯でゆっくりプレイしたいゲームですね。