ものべの 体験版 第1話

ものべの - すみ
(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2012年3月30日にLoseより発売予定のシネマティックノベル(18禁)、体験版の第1話。
高知の山深い寒村、茂伸村へ6年ぶりに帰省した主人公の沢井透と妹の夏葉は、妖怪や幼馴染家族など懐かしい面々と再会し、限られた期間での生活を再開します。体験版第1話では、帰省した日の夜までが描かれます。その後の本編には、ひめみや流夏祭りや夏葉の異常成長などの展開が控えている模様です。

シネマティックノベルと呼ぶだけあり、豊富なカット(1枚絵)や特殊効果とカメラワーク、臨場感ある質感の背景がビジュアル面を引き立たせています。Loseならでは(?)の取り組みとしてストーリー上組み込まれることに難のあるHシーンはサブシナリオとして完全分離されており、事前に了解の上であればむしろ安心して物語を楽しむことができます。とはいえ本編中にも18禁要素は皆無ではなく美少女ゲームとしての(主人公がやけにモテるなどの)文法がベースに敷かれており、N○Kで放映される類のものではない魅力が存在しています。本作で印象的なのは、あかしゃぐまや妖傘といった日本式妖怪が人間の生活(主人公たちと一緒にスーパーで買い物し、車に乗る)に溶け込んでいることで、私は妖怪と機械文明は相容れないとわりと思っていたものですが、近年の生活様式の変化のスピードのこともあり、併存する道は今後も開かれているのだと思えるようになりました。

システム周りはスマホ世代も安心のデザイン。バックログ中の「この場面に移動する」ボタンは便利ですね。夏葉の低年齢的ヴォイスの素晴らしさは言わずもがなですが、すみやありすの主人公へのベタ惚れっぷりは予想よりもやや上でした。尚武さんと比較して、菜穂子さんの若さは異常w プロなのだからと言われればそれまでですが、これほどまでの声優さんの名演を聴いていられることには感謝感謝です。