幸せの塔を受け入れて

Cabbitデビュー作「翠の海」応援中!
(※ネタバレをいろいろ含みます。)

パッケージ版は2011年10月28日、ダウンロード版は同12月2日にCabbitより発売の、真実の欠片を探すサスペンスADV「翠の海 - midori no umi -」のアナザーストーリー。第2回人気投票第1位記念として知紗をメインとした、公式サイトに掲載されているWeb小説です。

待望の拓真生存ルート。むしろ本編で消えやすかったのが謎なくらいですが、拓真が残ったとしても、大勢の先客がすでに消えた後であることから全員生存とはならないのが実情です。櫂は知紗と協力して拓真の保護に奮闘します。いくつかの苦難を乗り越えラストには櫂と拓真が結ばれる・・・という展開になることはなく、幸せなことに櫂と知紗とがいい感じになっていましたとさ。様々な表情を見せる知紗を始めとして、この時点の各キャラに登場シーンがあり、色々と盛り込まれた構成となっているようです。個人的には怖めなみちるを見られたので満足です。

本編のBGMを流しながら読んでみました。こういった無料のコンテンツでお金をとらなくていいの? と思ってしまう気弱な消費者たる私ですが、これはファン層をひとまず翠の海に閉じ込めておく作戦ですよね、わかります。

こういった施設が現実に存在しうるのかというところですが、まともに作れば関係者はともかく、不特定多数の顧客とその周囲の誰かがほぼ確実に世間に情報を漏らすでしょうから、なかなか難しいでしょう。といいつつも、経済的に余裕のある家庭では児童養護施設にすんなりと入れられるとは限らず、かといって養子にも出したくないというぜいたくなニーズはどこかにあることでしょう。現実的なのは、宗教団体の施設といえます。組織力で生活基盤を守ることができ、信仰がセキュリティの強化につながります。誰かを修道院にかくまうというのは、映画などでもよくある話ですね。