古色迷宮輪舞曲 〜HISTOIRE DE DESTIN〜

「古色迷宮輪舞曲 〜HISTOIRE DE DESTIN〜」2012年7月27日発売予定

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2012年7月27日にYatagarasuより発売の運命操作アドベンチャー(18禁)。

主人公がアルバイトを始めた喫茶店に木箱が届き、中から現れた不思議な少女からもろもろの不吉な出来事が起きることを宣告されます。主人公は、残された1週間の時間の中で「運命の輪」を元に戻す作業に奔走します。

本ゲームは通常のADVとは異なり、ストーリー中で数々のキーワードを収集し、一定のタイミングで正しいキーワードを投げかける(マウス操作によるドラッグ&ドロップ)ことで物語が進展します。セーブやロードの機能はなく、かわりに中断機能があります。主人公の運命量を消費することにより各章からリスタートすることができ、章内であれば各シーンからリスタートすることも可能なようです。キーワード選択時の説明文から新たなキーワードが派生することもあります。キーワードはうっかり読み飛ばしてもバックログから回収できます。スキップしていてもキーワードを含む文章やキーワードを投げかけるタイミングでは止まってくれるようなので、その点はプレイヤーにとって救いといえます。

名状しがたい運命枯渇ゲーです(序盤の印象です。中盤以降は変わります。)。
キーワードを投げかけるたびに、キーワードが「正解」であっても大抵誰かしらの運命量は減少し、紅茶を入れているとき、誰かの手伝いをするとき、唐突に誰かしらの運命量は枯渇し、それまでの話の展開とは一切お構いなしにジャン=バティスト・リエーブルマンのニュース速報が入り、章の始めまで戻されます。ただし、主人公の運命量が枯渇した場合は最初の章まで戻されます。戻されたとき、運命量が枯渇したキャラの運命量は回復しますが、他のキャラの運命量は維持されるため、再度進めていくと次々と他のキャラも運命量が枯渇してシーンを戻されることもありますが、しばらく繰り返せば各キャラの運命量は次第に全体的に回復され、先のシーンへ進めるようになります。
上述のように、いかに「正解」を把握していても決してスムーズに進めることはできないでしょう。最短ルートは理論上存在するでしょうが、そのルートは不規則な螺旋を幾重にも描いたものとなるでしょう。強いて言えば、キーワードの投げかけの中にはイベントを分岐させるものがあるので、分岐のポイントを把握した上で、いかに効率よく各イベントを回収し、得られたキーワードを正しく使用していけるかが重要といえそうです。現に、7月1日の舞さんを「起こす」のは関門のひとつといえるでしょう。誰もが知っている言葉でも、キーワードとして保持していなければ先へ進めないようになっています。

紅茶を入れる事象を繰り返していたのでキャンブリックティーとシャリマティーはとうに暗記しました(笑)。主人公に残された時間は1週間などといわれますが、2日目すらまともに越えられない程度の難易度です(というか2日目の難易度が高いです)。自力でエンディングを目指すならメモ必須でしょう。同じシーンを繰り返すことになるので、どのポイントではどのキーワードが「正解」かを書き残しておくと確実に進めやすくなります。「正解」自体は「Hint」で大抵は判明するのですが、遠まわしな表現のときも多いので書き残すほうが得策といえます。「正解」が複数あるとき、特に分岐するときはそれぞれのキーワードをメモしておき、未選択のキーワードは未選択として後に回収できるよう目印を残しておくといいでしょう。

イラストは可愛いらしく、お店でよくかかっている曲も良いと思います。舞さんと美月さんのいる紅茶店からはどうにも某飴色紅茶館が想起されると最初の頃は思っていましたが、……どうやら記憶違いでした。

追記:クリアしました。
シーン「星に願いを」以降のネタバレの動画投稿は規制されていますので、公式サイトでの規制が解除される事象に辿り着くまではテキストのみのここでも自重しておきます。
序盤を越えたあたりからは、読み始めたら止まらないような内容です。次々と物語が展開し、シナリオも作り込まれていますので、一気に読み進めてしまいたくなるような魅力があると思います。操作的な意味での難易度は平易化するので、それほど身構えなくてもよいでしょう。
「星に願いを」までの間に姫野さんが口を半月状に釣り上げるグラフィックが入るのですけど、こわいこわい。背筋が凍りました。あの顔で来られたら抵抗できる気がしません。

追記:フルコンプしました。
フロー完成率を100%にするにあたっては、未読のシーンは章内であれば薄く表示されますので、章を移りながら回収すればおおよそなんとかなるようです。でも特殊な条件のついたシーンもあり、某サイト様のお世話になりました。
核心部分への感想は、書けるようになったらたぶん書きます。読み進めていて、鳥肌の立つ回数が群を抜いている作品です。夏の暑い時期にはある意味ホラー作品以上に向いているでしょう。

追記:サウンドモード追加データが配信されました。(2012/8/24)
文字通り、サウンドモードが追加されます。このゲーム中に今までなかったものが出ると妙なワクワク感がw 音楽を自由に聞くことのできる事象もあったということにとしみじみ。音楽はループ仕様で、特に日常系の曲は紅茶を飲みながらの作業用にとても相性がよさそうです。