BRAVELY DEFAULT FLYING FAIRY

ブレイブリーデフォルト - 3DS
(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2012年10月11日にスクウェア・エニックスより発売のRPG3DS)。

世界が危機に瀕し、4名の戦士たちは事態を打開するため4つのクリスタルの解放を目指し冒険を繰り広げます。

中世的な街並みと頭身の低いキャラクター、往年のファイナルファンタジーシリーズを彷彿とさせるアビリティやアイテムの名称の流用は、かつてのシリーズのもうひとつの進化系を思わせます。起動するたびにフレンドとのアビリンク機能が紹介され、周囲に3DS本体と本作の両方を持つ人がいない非リアを落ち込ませるシステムにはわたしとしては異議があり、もう少し寛容性がほしかったところです。

本作にはメインイベントと区別されたサブイベントが多数存在し、それぞれの発生場所がマップ画面上に表示されるようになっているのはわかりやすく親切ですね。フィールド上でのエンカウント率が低かったのも良いと思われます。
ブレイブ&デフォルトを駆使するターン制の戦闘は意外とシビアで、ボス戦のみならず通常戦闘においても1ターンで1キャラが戦闘不能になったり、1〜2キャラのステータス異常から全滅するのはめずらしくありません。強敵を倒すためにはフレンド召喚が助けとなり、9999ダメージの召喚であれば序盤の戦闘はほぼ終了するため、ここでゲームバランスの調整が行われているようです。

・各所の戦闘関係
最初のボスのホーリーさんは、レベルを上げずに特攻すると無限プロテス&ケアル&エアロ攻めでじわじわとなぶり殺しにしてもらえるため、ここで開眼するプレイヤーも多いことでしょう。ホーリーさんが踏んでくれるシーンは、ついぞ見ることができませんでしたね……。
「盗賊のナイフ」があれば戦闘中に武器を持ち替えるだけでアビリティ設定をしなくても「ぶんどる」が可能なのはとても便利ですが、強力な装備を安定的に得るためには大抵のボス戦で「ぶんどる」作業を繰り返さなければならない仕組みはストーリー的な爽快感をやや減退させ、戦闘終了後に100%入手できるようにしてほしいところです。
ジョブ「すっぴん」にはほかのマスターしたジョブのサポートアビリティが自動発動するかと期待していましたがそのようなことはなく、大器晩成によるパラメータ補正のボーナスはありますが、アビリティも「すっぴん技」で1枠使われてしまうため、なかなか活用しにくかった印象があります。

ストーリーでは各地で食べ物ネタが登場していましたね。焼きしめたパンはさておき基本的に女性誌向けなラインナップで、本作のターゲット層が見え隠れしています。5章以降の展開については、まずワールドマップに表示されるイベント数に息を飲みますね。1章の前の世界のパーティが世界線を越えた方法、世界線を越えた先でそれまで存在していたはずのパーティの行方、パーティがいなくなった世界のその後など明らかにされない部分は多々あります。次第に簡略化されるイベントの中で訳もわからず倒されていくボスキャラ達、罪の意識を感じる暇もなく前へ進み続ける光の戦士達には空虚感すら漂うことがありますが、それらは通過点に過ぎません。らせん状のループをRPGで表現したという点は、それなりに評価されるべきではあると思われます。