Ringlet the Fairytale(033+3)

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

サークルProject Ringletによる民俗学入門Novel(全年齢対象)。
ヨーロッパからオセアニアまで、世界中のFairytaleを収録しています。サイト上ではFree Edition(032+2)を公開中。Package EditionにはUIの改良や追加のおまけがあります。話数はフリー版は99話、パッケージ版は108話を予定。本編はElse Lancaster(9)と時折会話を挟みながら各話を選択して読むことができます。また、あとがきから各話の詳細な解説を読むことができます。(前回の感想

#28 庶民が一瞬にして富を得たり出世する話は、各所にあるものですね。それだけ大多数の庶民はお金に困っていますし、出世もしませんし、ネズミに困らされていたということには違いありませんが。予期せず貰ったものとはいえ、王様からの財宝を惜しげもなく譲り合う姿勢はまさに紳士淑女ですね。
#29 幼女から金銀財宝を巻き上げる外道の極み。詐欺行為のはびこっていた時代でしょうから、ヴォヂャノイを見かけたらこうすべき、というよりは、このレベルの話に騙されてはいけないという反面教師としての教育的な側面があったかもしれません。
#30 リア充にチート装備を持たせるスタイル。リゼットが何度も確認していたので、廃墟で悪魔を倒すのはかえって良くないことなのではとも思いましたがそんなことはなく、単にロドリグの身を案じていたようです。血統ではなく戦闘能力の高い者が王になれるというあたり、戦争に特化していた時代だったのでしょう。
#31 キス厨の魔女の息子はあっさりと殺しをやってのけるわけですが、それは家庭環境や、当時の短い平均寿命などが相まっての描写だったという可能性はあります。オレンジを取られて殺意の波動に目覚めた魔女は、実際にいた可能性がありますし、当時やそれ以前から所有権の概念が如実に存在していたという証左ともなっています。
#32 ファンタジックでゆるふわ感があります。現地では実写化とかされているのでしょうか。生き物は大切に、ということでしょうが、農家では害虫駆除は欠かせないでしょうし、これを読んだ子供たちは様々な思いを抱えながら大人になっていったのかもしれません。
#33 周囲に誰も住んでいませんが、義父はノーカン。一般人のいなくなった地を舞台にした魔法バトルというのは、最近も作られていそうな話です。