翠の海 - midori no umi -

Cabbitデビュー作「翠の海」応援中!
(※ネタバレをいろいろ含みます。)

パッケージ版は2011年10月28日、ダウンロード版は同12月2日にCabbitより発売の、真実の欠片を探すサスペンスADV(18禁)。
過去の記憶を失った主人公は、深い森に閉ざされた洋館で11人の仲間との幸せな生活を始めます。

体験版のときも書きましたが、過去の記憶を失い外部との接続が遮断された環境で送る幸せな生活はまさに「楽園」。1回目は【永遠の楽園】ED余裕でした。籠の中の青い鳥、結局はこれがTRUE ENDなのだと今でも思っています。どうやらマルチエンディング方式で、いわゆる○○ルートという方式とは異なり文字通り様々な結末が用意されています。2回目以降は1〜5章の頭から開始できるようになり、選択肢(到達可能な結末)が増える仕組みになっているようです。

現時点でカード(クリアED数)は7枚目。登場人物が記憶を失っていることによる記憶障害の場面が随所にあり、それぞれは現実味を帯びた描写になっていると思います。真希奈の病みっぷりはヤンデレというよりは医学的な何かでしょう。リビングで真希奈が過去を語ってしまったときの紡の表情の怖さはガチ。ヤンデレという意味では【赤い塔】EDのほうが適切でしょう。こちらの突然な展開にびっくりしました。誤解のある修羅場シーンを挟みつつも、18禁要素なしでこの結末に達しているのは素敵だなあと。


追記:フルコンプしました。
大団円でついに翠の海を脱したと思ったら、いつの間にかヤンデレに捕まって無限ループに大ハマリしていた。な・・・何を言ってるのか(ry
フルコンプした今においても、【永遠の楽園】TRUE END説は手放しません。こんな結末があってもいいじゃないのと。
16枚のカードはそれぞれ独自の展開を見せ、似通うことがないよう配慮されています。その上でストーリー上の各設定にはブレがなく、多面的な視点から少しずつ、様々な一通りの謎や疑問に対する答えを垣間見ることができ、プレイヤーの想像に任せて問題ない範囲も残されているようです。
大団円の話に少し戻りますが、楽園たる翠の海にプレイヤーを深く引き込み、フルコンプする頃には元気に外界へと戻ってゆく、その流れに自律訓練法というのを思い出しました。戻ってこられるというのもスタッフの方のやさしさだろうなあと思っています。
あとMANYO氏の音楽が素晴らしすぎます。環境音楽としてかけっぱなし余裕です。音楽だけのために買うというのもありかもしれません。一般的なCDと比較すれば数枚分の価格ですが、価値はあるように思います。
(そのほかの感想は、断片的に書きます)
とりあえず紡の反復横跳びの可愛さは異常。みちるの"怒ると実は怖い"設定は小ネタ的に出ていますが、本編で大変なことになるルートも見てみたかった気がします。【永遠の幸せ】EDのルートは冗長な部分を省いた結果なのだとは思いますが、個人的にはもっと長いほうが良かったです。スタッフロールが流れるたびにみちるに刺されそうになるのですが、何度も繰り返されるうちにそれにももう慣れました。

公式サイトで第二回キャラクター人気投票の結果が出ていますね。わたしのコメント載ってるーw 知紗は一時はストップ安かとも思いましたけど、本編内で取り戻してましたからね。その点、みっ・・・みちるや紡の後退、空音や陸乃や沙羅の躍進はまさに既定通り。そして体験版から大きなギャップの少なかった面々が後ろの方に、という興味深い結果です。拓真の敗因は、ストーリー分岐前に出番が終了していることに尽きるでしょう。真希奈の順位は個人的にだいぶ納得いかないのですが、やがて評価される時が訪れるものと思います。今回1位の知紗は書き下ろしWEB小説が1月下旬に公開予定。サイドストーリーは色々と読みたいので楽しみにしています。1度クリアしたプレイヤーは仕組みへの理解が進んでいるのですが、この後すぐに完全新作へつなぐのは世界観がもったいないような気さえします。人気投票結果の拓真のところにあるスタッフコメントはもしや同メンバーでの次回作確定? それともWEB小説のこと? 謎は尽きませんが、ファンディスクとか出たら買います、はい。