1人殺すのも2人殺すのも同じことだと思うから 11月編

(※ネタバレをいろいろ含みます。)

2013年12月1日にサークル虹猫により公開の異能力×病み・猟奇ノベル(R15)(フリーゲーム)。

これまで謎に包まれていたねこやみふゆにスポットを当てた過去話が明らかになり、一層先の見えない展開を見せています。

レベル上げに夢中なねこや13番の様子は、ゲーム世代には理解しやすいところでしょう。ねこは短期記憶の改竄を繰り返されていたようですので、ねこから脳派の能力を取ったらまさに何も残らなくなるかとも思われましたが、こだわりを感じられるあの衣装には、能力がなくとも個性的であろうとするねこの努力の表れがあったのかもしれません。13番はあの能力で13番だったわけですが、それはそのまま当時の研究所の実力を表していたように思われます。

はるまの苦しみの程度は想像するのが難しいところですが、失っている記憶の部分を他者から教えられてもなぜか頭が受け入れを拒否するという状態はさぞ気持ちの悪いことでしょう。回復にはいすずの存在が鍵となるようですが、とするといすずには脳派の力により歪められた認識をデフォルト化する能力があるのかもしれず、さらにいえばその能力はみすず達の父から引き継いだものなのかもしれません。
みふゆがこはるを連れて外出している姿はとても頼もしく見えます。みふゆの能力もこの場面で判明するようです。過去の研究所の在籍者や陰暦家の同居人がなぜ今まで生きてこられたのか疑問になるほどの能力ですが、当初からある程度の能力のコントロールはできていて、認識できない場所にいる相手には効力が発揮されないといったものだといえそうです。

走馬灯の上に打ち切りエンドを兼ね備えた様式美がラストに見て取れます。みすずは更生すると言っているのですから逃走先の研究所で更生するのでしょうが、向かうところ敵なしの状態では、歪んだ形となって現れることになるのでしょう。
この時点で生きているのは陰暦家3姉妹、まつな、はる、えい、かげつ、きしゅん、校長です。物語の締めとなる12月の展開は想像しにくいですが、みすずは全国指名手配犯となっているようですので、どう反応を見せるのかがポイントになりそうです。